就職難が続く昨今、高学歴であるだけで他の学生の優位にたてるというわけではない。さらに、なんとか内定を勝ち得たとしても、それで終わり、というわけではない。入社するまでに様々な難関が待ち受けているのだ。2014年卒で、大手インターネット企業に内定が決まった理系大学院生(24歳)は、次のように話す。
「私は学部、院ともにプログラミングを学んできました。その経験が実を結び無事希望する企業に内定が決まったのですが、その喜びも束の間『インターン』の名のもとに、長時間安価でコードを書かされる毎日です」
一般的にプログラマーを1か月拘束するのには100万円ほどかかるといわれるが、「学生のインターンはその5~20%ぐらいしかもらえません。入社すれば3~5割が手元に入り、税金を抜いた額が手取りとなります」(同前)という。もちろん、まだ学生の身分であるため、仕事を断ることも可能ではあるが、そう簡単にはいかないようだ。
「学生にとっては内定ほしさや、内定先の人事への恩義などもあり、過酷な状況でも断れない空気があります。内定を蹴った企業からも、いまだに無償でコードを書くように頼まれることすらあります。この場合は丁重に断るようにしていますが、内定をもらった本命の企業だと難しいです」(同前)
内定を得てからも、学生たちの苦闘は続く。