男性同士の恋愛を描いたBL(ボーイズラブ)を愛好する「腐女子」。そんな腐女子の中でも、ブームとなる作品の移り変わりは早い。作者やイベント会場への脅迫事件で話題になった『黒子のバスケ』(週刊少年ジャンプ連載)は昨年から腐女子たちの間で大きなトレンドとなっていたが、昨今特に人気が高まっているのが『進撃の巨人』(別冊少年マガジン連載)の同人誌だ。
実際、同人ショップに行くと、『進撃』コーナーが大賑わいだというが、腐女子たちにとってどこが魅力なのか。女子大生のAさん(22歳)は、次のように分析する。
「私自身、当初は単行本が発売されると同時に購入していたのですが、途中から購入するのをやめていました。しかし今年に入ってからアニメが始まり、私も含め、原作を読むのを中断していた層が再び『進撃』に触れるきっかけになったと思います。
まずオープニングのインパクトがネット上で話題となって、パロディ動画がたくさん作られるようになりましたね。主人公・エレンの声がイケメン声優の梶裕貴さん、ツンデレ冷徹キャラクター・リヴァイが腐女子人気の高い神谷浩史さんということもあり、その2人のCP(カップリング)を中心として、爆発的に人気が出たのではないでしょうか」
また自ら同人イラストを描いているという自称・腐女子のBさん(32歳・会社員)も、次のように語る。
「近年は『テニプリ』(テニスの王子様)や『黒子』(黒子のバスケ)のように沢山のイケメンキャラクターが登場する作品が腐女子人気が高かった気がします。しかし、『進撃』の基本カップリングはエレンとリヴァイの2人で、これはかつての『タイバニ』(TIGER&BUNNY)人気と近い“王道カップリング”といえるのではないでしょうか。
やはり腐女子を喜ばせているのは、共通の大きな敵に向かって闘う同士であり、その中で上下関係があるところ。さらにリヴァイというキャラクターは強く冷徹でツンデレで低身長というのもポイントが高いですね(笑)」
いかにも腐女子が喜びそうな要素が満載、ということか。