「大和撫子」の強さは、どこに消えてしまったのか。2011年のW杯優勝に、昨年の五輪準優勝と、華々しい成績を残してきたサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」が今年に入ってまったく振るわない。
3月のアルガルベ杯では5位に終わり、6月の欧州遠征では1勝もできなかった。3連覇がかかる20日から始まった東アジア杯でも負ければ目もあてられない。「世界トップクラスとの力の差は確実に広がってきている」(サッカー専門誌記者)のである。
凋落の原因は、川澄奈穂美、高瀬愛実など代表選手を多数送り込む中核チーム「INAC神戸レオネッサ」のお膝元にあった。
神戸市の商店街「大安亭市場」のある商店主がいう。
「ショックやわ……。ちょっと前まではジャージ姿に日焼けで真っ黒けな顔しとった女の子たちが、最近じゃ真っ白な顔をして、ブランドもんのバッグやらを持って歩いとるんやから。ちゃんと練習しとるんやろか。最近『なでしこジャパン』の成績がパッとせんのも納得ですわ」
まだ「なでしこ」が無名だった頃、選手たちはこの商店街の近所にアパートを借り、ルームシェアして暮らしていた。選手は練習帰りに自転車を押しながら、物価の安いこの商店街で小銭を数えながら買い物をしていたという。
しかしW杯で優勝して注目度が上がるたび、その姿は見られなくなっていった。
「CMもぎょうさん出とるし給料も上がったんやろ。それで選手たちはみんな東灘区の山の手の高級マンションに引っ越しよった。最近はこの商店街なんか見向きもせずに、カネ持ち御用達の『いかりスーパー』でばっかり買い物しとるらしいで。顔がすっかり白くなってしもうたんも、三宮のエステがタダで“美白”ちゅうのをやってくれるかららしい」(同前)
※週刊ポスト2013年8月2日号