このところ反日をブリッジに急接近しているといわれる韓国と中国だが、歴史、経済的な対立は根深い。
2008年4月の北京五輪の聖火リレーでは、韓国で物騒な衝突に発展した。朝鮮半島情勢に詳しい評論家の三浦小太郎氏がいう。
「聖火リレーがソウルを通過した際、中国側の関係者と妨害しようとする韓国市民が、まるで市街戦のような乱闘を展開した。韓国人の中には、脱北者の強制送還に抗議して、その場で抗議の焼身自殺を図る人もいたほどです」
その直後の5月、四川大地震が起きた折には、韓国国内では「天罰だ」との声も上がったという。アシアナ機事故での「死亡したのが中国人で幸いでした」という韓国人キャスターの発言を巡って中国のネット掲示板には、〈四川大地震の時には、日本人はみんな哀悼の念を示してくれていたのに、棒子(韓国人の蔑称)の奴らはみんな喜んでたからな〉という書き込みがあったほど。恨み骨髄である。
双方の拒否反応は意外なところにも表われている。産経新聞ソウル駐在特別記者の黒田勝弘氏が指摘する。
「日本では横浜や神戸に立派な中華街があるし、世界の多くの国にチャイナタウンがあるが、なぜか韓国にはない。ごく小さな中華料理屋が集まるところがある程度で、昔、仁川にあった中華街も寂れてしまった。日本では家庭でも中華料理を作るが、韓国では作らない。中国でも韓国料理はまずいといわれているから、お互いさまなんでしょう」
長い歴史のなかで醸成されてきた中国と韓国の歪んだ関係。「反日」で握手をしているように見えても、机の下では足の蹴り合いをしている。
※週刊ポスト2013年8月2日号