山口県周南市の小さな集落で発生した連続放火殺人事件で7月26日、保見光成容疑者(63才)が放火と殺人の容疑で逮捕された。
この地で生まれ育った保見容疑者は、地元の中学を卒業すると上京し、左官工の仕事に従事していた。独身だったため、神奈川県川崎市のアパートでひとりで暮らしていた。そんな彼が、故郷に戻ってきたのは、1994年のこと。年老いた両親の面倒を見るためだった。
故郷に戻ってきた当初、保見容疑者は、両親の介護だけでなく、“村のために働こう”とも考えていた。しかし、その思いは空回りしてしまう。
「彼は集落に来た当時、“何か村おこしをしたい”と熱心に提案しとったんじゃが、“都会崩れが何言っとるんや”と多くの住民に反対されてしまってね。そこからちょっと疎まれるというか、“いじめ”みたいなことが起こり始めたんですわ…」(近所の住民)
当時40代だった保見容疑者は、集落では、いちばんの若手。“生意気な都会の若造”と陰口を叩かれる一方で、若いという理由だけで地域の草刈りや農作業をすべて任されていたという。
「“都会から来たんじゃから、金も持っとろう。みんなのために草刈り機買って、草でも刈れ”言うてな。無理矢理やらせとった」(別の近所の住民)
保見容疑者は言われるがまま草刈り機を購入し、燃料代も自分で負担した。しかし、謝礼などは一切なかったという。それどころか、こんな嫌がらせまで受けていた。
「ある日、彼が草刈り機をあぜ道に置いて帰宅すると、ある集落の人間が、草と一緒にその草刈り機を燃やしてしまったんや」(前出・近所の住民)
保見容疑者が、それを知って抗議すると、その住民は「あれ? あんたのもんだったの?」と笑っていたという。
また、家の裏で勝手に農薬や除草剤をまかれたり、「犬が臭い」と文句を言われることも多かった。
※女性セブン2013年8月15日号