読み書きが困難な難読漢字を、スラスラと読んだり書いたりする芸能界の「漢字女王」たちでも、書き順の間違いを指摘されて「ハッとした」場面が何度もあるという。女優の村井美樹さんもその一人だ。
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数年前に間違いに気づいて驚いた漢字が「右」、「出」の二つです。
「出」は真ん中の縦線から書き始めるのが正しいのですが、私はなぜか凵の字部分を2つ書いてから、最後に縦棒を書いていたんです。
「右」は正しくは払いから書き始めるのですが、ずっと横棒から書いていたんです。「出」「右」の書き順を間違って覚えていたことに気づいた時は、「あ、そうなんだ!」と衝撃を受けましたね。
正しい書き順を学んでも、急いで書いていると、つい書き慣れた間違えた書き順で書いてしまうことがありますね。
『Qさま』ではクイズの解答を急いで書くことが多いので、そうすると手がこう……覚えているから(笑い)。書きやすいほうで書いてしまうんです。
漢字の書き順を守ることは、漢字を美しく見せるための作法だと感じています。
漢字検定1級を受検したときには、あまりにも難しく見たことがない漢字が多いので、漢字の正しい書き順(筆順)サイトを見て勉強しました。書き順が分かれば難しい漢字も覚えることができるんです。
書き順には知的好奇心をそそられます。辿っていくと、歴史にまで行き着くのでおもしろい。これからも作法を守ってきれいな字を書くようにしていきたいですね。
■村井美樹:むらい・みき。1979年11月16日、京都府生まれ。漢検1級をはじめ、社会教育主事、博物館学芸員の資格を持つ。『クイズプレゼンバラエティーQさま!!』などのクイズ番組に漢字に強いインテリ女優として多数出演。
※週刊ポスト2013年8月9日号