4年前の8月10日、政権交代選挙(同30日)の直前に誕生した新党「みんなの党」は、傍から見る限り順調な成長を遂げてきた。
脱官僚、地方分権、反増税、そして政界再編などを「アジェンダ(政策目標)」に掲げた同党は、2010年参院選で党勢を拡大し、自民党が大勝した昨年末の総選挙、先の参院選でも議席を伸ばし、現在は衆院18人、参院18人。「末期症状の民主党」、「内部がガタガタの日本維新の会」とは対照的に、野党勢力の中心的存在となっている。また、6月の都議選では1議席から7議席に躍進するなど、地方選でも勢力を増やしている。
だが、そうした“議席数の好調”とは裏腹に、結党5年目を迎えたこの夏、みんなの党は分裂危機に直面している。所属国会議員の1人がいう。
「今年初めから維新の分裂が囁かれているが、我々のほうが先だろう。ナンバー1の渡辺喜美・代表とナンバー2の江田憲司・幹事長の対立は、引き返せないところまで来てしまった」
参院選投開票日(7月21日)以降の泥仕合がそれを物語っている。
7月23日の党役員会で江田氏は、「党の公認候補決定や政治資金の運用が不透明だ」と発言し、渡辺代表の独断専行を批判。一方の渡辺氏は25日の会見で、江田氏が投開票日に民主の細野豪志・幹事長、維新の松野頼久・国会議員団幹事長と会談して野党連携を協議したことを挙げて、「(代表に)報告がない。個人的にやるなら、幹事長を辞めてからやるのが筋」と、“幹事長更迭”をチラつかせた。
衝突は永田町外にも波及した。25日には同党の都議会会派は“渡辺派”と“江田派”で4人と3人に分裂。「江田派は3期目の野上幸絵氏(江東区)を推したが、渡辺派は1期生の両角穣氏(八王子市)で譲らなかった。わずか7人のグループが2つに割れるなんて、みっともない限りです」と、同党の区議は嘆く。
※週刊ポスト2013年8月16・23日号