メガバンクのえげつない内幕を描くドラマ『半沢直樹』(TBS系)が大人気だが、実際の銀行マンはどう見ているのだろうか。
「銀行マンにとって、大事なのは保身と出世です。いかに上司に睨まれず、組織内で安泰な地位を得るか。そのことに全力を傾けるんです」
そう話すのは半沢と同じく、あるメガバンクの融資課長・Aさん(40代)。出世のためには、「ヘマをしない」ことがすべてだと話す。Aさんは、半沢と同じ経験をしたと語る。
「数年前、ある企業に20億円近い融資をして、すぐにその会社が潰れてしまったんです。担保を取ってあったので半沢ほど大事には至りませんでしたが、この件で私は出世コースからは完全に外されてしまいました。銀行は“減点主義”なんです。一度でもミスをすると、もう再浮上のチャンスはないんです」
Aさんはこの一件で、大都市の大規模支店からいきなり地方の小さな支店に飛ばされてしまったという。
ちなみに、ドラマでは5億円の損失が問題となっているが、現実には、もっと大きな額の失敗も多いという。
「5億円は少ないほうですよ。損失額が30億~40億円なんてケースが、普通にある世界ですから。そういう巨額融資先が倒産した場合、半沢のように単独でお金を取り返そうとすることはありません。融資部の中で回収専門の特命チームを作って事に当たります。メガバンクの場合は、関連会社に債権回収専門の会社があるので、そことも協力し合います」(前出・Aさん)
※女性セブン2013年8月22・29日号