<不思議。このふたり、兄弟>
8月1日、寺島しのぶ(40才)はブログにこんな文章とともに、11か月になる愛息を抱っこしているフランス人の少女の写真をアップした。
「この日がやってくるまで本当に長い時間がかかりました。ほとんど2年がかりでしたからね…」(寺島家を知る人)
2007年2月、寺島はかねてから交際していたフランス人アートディレクターのローラン・グナシア氏(45才)と結婚した。彼には、事実婚だった前妻との間に娘・クレオがいたが、冒頭の少女がそのクレオだ。
「寺島さんとローランが出会う前に、彼と前妻は“離婚”していました。フランスで離婚後の夫婦の子供の親権は、どちらか片方が持つのではなく基本的に共同親権になるんです。クレオは前妻が住むフランスで生活をしていたんですが、日本にもよく来て、ローランの東京の自宅に滞在していたんです。クレオはパパのことはもちろん、日本が大好きでしたから」(芸能関係者)
そんな矢先、寺島とクレオの絆が断たれてしまう。原因は2011年3月11日の東日本大震災だった。
「震災後、ローランの前妻が、クレオが日本に行くことを許してくれなくなったんです。やっぱり放射能のことが心配だったみたいですね。震災直後、フランス政府は日本にいるフランス人に帰国勧告を出したともいわれたぐらいですから、やっぱり過敏になってしまうんでしょう。
クレオ自身は日本に行きたかったし、ローランも寺島さんも来てほしかったんですけどね…」(前出・知人)
娘の渡日を巡る話し合いはもつれ、2012年の年明けごろには現地フランスで裁判にまで発展した。
「ローランの言い分は、“クレオが日本に来ることをOKしてほしい。日本は放射能で危険な国ではない”ということ。前妻が、日本はチェルノブイリみたいに放射能で危険な国だと考えているのは、正確な情報を掴んでいないからだという主張でした。
でも、最初はやっぱりローランの言い分は却下されたそうです。それが、去年の夏頃だったと思います」(前出・知人)
そんななか、昨年9月、寺島は長男を出産した。新しい家族が増えたことに喜びを感じる一方で、クレオがいない寂しさを募らせた。
「クレオが日本に来れなくなってからは、寺島さんがパリへ行くこともあったし、日本にいるときはパソコンのスカイプで顔と顔を見て話したりしていました。でもクレオはきょうだいである息子に会えない。スカイプ越しに弟を見ては、“会いたい”って言っていたそうです。寺島さんとローランは、なんとしてもきょうだいを会わせたいと、何度も裁判所に異議を申し立てたそうです」(前出・知人)
一度は却下された主張ゆえ、なかなか覆ることはなかった。しかし寺島は、ローランとともに、クレオと愛息を会わせたい一心で裁判で訴え続けた。そして今年7月3日、判決の日。寺島はブログにこう報告した。
<これまで何回か裁判をやって来た。フランスの原発に対する警戒心は、間違いなくチェルノブイリから来ていて、未だに大きなトラウマを持っている。毎年、一年に二度くらいは来ていた娘は、大好きな東京に来ることができなくなった。しかし思いが通じたのか、最後にひっくり返り勝利>
そんな長い“放射能裁判”を経て、寺島たちはローランの娘を取り戻したのだった。
※女性セブン2013年8月22・29日号