DeNAのアレックス・ラミレス(38)が、絶好調だ。……といっても、二軍の話。『4番・指名打者』として出場する機会が多く、打率も好調。打率.339(8月23日現在)でイースタンリーグでチームの優勝争いを牽引している。
だが、打棒を奮っても、一軍からはお呼びがかからない。8月12日には同じ外野手の下園辰哉が登録抹消に。ラミレスが昇格するのかと思いきや、首脳陣が選んだのは後藤武敏だった。
「二軍での好調ぶりを考えても、実績のあるラミレスが戻らないのは不自然。二軍でも左翼の守備にまったく就かないことを考えると、一軍に戻っても代打しかない。ベンチにいるだけでも相手にとって脅威になるはずだが、ラミレス自身が『代打は難しい』と話している。いずれにしてもオフにDeNAを去ることは確実」(スポーツ紙記者)
今季のラミレスは4月6日のヤクルト戦で2000本安打を達成したものの、打撃の調子は上がらず。左翼で拙い守備を連発し、4月25日の巨人戦を最後に、スタメンを外れた。交流戦では指名打者としてスタメン出場する機会もあったが、リーグ戦に戻ると、またしても代打要員に。今シーズンの代打成績は23打数3安打、打率1割3分と、低調な数字が残っている。
「それでも、試合中は腐ることなく、ベンチでずっと立ちながら戦況を見つめ、守備のイニングが終わると、真っ先にベンチを飛び出し、味方を向かい入れていた。実績のあるラミレスほどの選手がそのような態度を取ることで、チームも引き締まっていた。
それを知ってか、横浜スタジアムは『代打・ラミレス』が告げられると、毎回その日一番といえる大声援が巻き起こっていた。守備の不安を考えると、スタメンのチャンスはないかもしれないが、クライマックスシリーズ争いをするチームにとって、ラミレスの存在は大きい。中畑監督がよく話す『球場のムード』を作れる数少ない野球人。一軍に復帰すれば、必ず力になると思いますが……」(同前)
チームが苦境に陥ったとき、ベテランの力は不可欠となる。はたして、ラミレスの一軍復帰はあるのか。