いま、テレビCMで共演している俳優の綾野剛と漫談家の綾小路きみまろが、実は似ていると評判になっている。あまりに意外な組み合わせだが、CMを繰り返し見るほど、似ているという意見になるようだ。
話題のCMでは、古いコンロを新しいものへ替えられる東京ガスのサービス「バリューリース」のたとえとして、ハリウッド映画などでお馴染みのVFX「モーフィング」により綾小路きみまろの顔が綾野剛へと変わる。もちろん意外性を狙ったものだ。ところが、似ても似つかない二人を最新技術で変化させていると思い込んでいたのが、何回か変化する映像をみるうちに二人は似ているという確信を持つに至ったと、都内の30代主婦は言う。
「『アヤノゴウ』と『アヤノコウジ』で微妙に音が近いからって無理やりすぎでしょ! と最初は思ったけど、目もとがそっくりだと気づいたんです! 気づいてすぐ友だちにLINEでメッセージ送ったら、『私も見た! 似てるよ!』と返事が来ました」
メッセージのやり取りは友人との二人だけにおさまらず、綾野剛と綾小路きみまろが似ているという賛同の輪が広まっている。彼女たちのグループチャットでは、こんな会話が続いているという。
「顔の大きさと眉の輪郭を変えて、しわを入れると案外近いかも」
「綾野剛が年をとって太ったら、案外、きみまろみたいになるかも」
「黒目がくりんとしているところが似てるよ!」
綾野剛と綾小路きみまろの共演はテレビCMだけでなく、東京ガスのキャンペーンサイトでも見られる。「アヤノメシ」というタイトルの8分間にわたるスペシャルムービーで、初対面の2人が、同じガスコンロの前でそれぞれの得意料理二品を一緒につくっているのだ。
スペシャルムービーでは、最新のガスコンロの操作方法に驚き楽しむ二人が一緒に鍋の中をのぞいたり、グリルの様子をうかがったりとたびたび顔を並べている。テレビCMに比べ、綾野剛と綾小路きみまろが同じ画面に納まっている時間が長いぶん、二人の似ているところを確認しやすい。
これまで、東京ガスのCMといえば「家族の絆」「家族のはなし」など泣けると評判になったシリーズものや、テレビドラマのパロディ「東京ガスストーリー」や部屋に歴史上の人物が突然あらわれる「ガスパッチョ」などインパクトが大きいものなど、いくつもの名作が思い浮かぶ。今回の二人の「アヤノ」共演CMは、泣けるタイプではないけれどじわじわと二人の顔の印象が頭から離れず、これまでのどれとも違う異色作といえる。
本当に顔が似ているかどうかは、CMとスペシャルムービー「アヤノメシ」をその目で確かめてもらうのが一番だろう。
かけ離れたイメージの二人だが、ムービーの最後では、お互いのオススメ料理を「これは美味しいですね」(綾野剛)「美味しいじゃない、完璧」(綾小路きみまろ)と褒め合い、気に入った様子。「幸せ」ときみまろがつぶやくと、まだ食べていた綾野もさかんにうなずき、「ありがとう」と言いながら握手をした手がなかなか離れない。少なくとも、味の好みが似ており意気投合しているのは、誰の目にも明らかだろう。