中国では相変わらず日本では考えられないような食品犯罪が相次いでいる。同国メディアによると、今年1月末から3か月間、公安当局は食品安全に関わる犯罪の集中取り締まりを実施し、ネズミの肉を羊肉に偽装して販売していた事件など計2010件を摘発。容疑者約3500人を拘束している。
6月には江西省で「毒ピータン事件」が発生した。アヒルなどの卵を熟成させるピータンづくりに有害な工業用の硫酸銅が使われていたことが発覚、地元当局は30社のピータン加工場を生産停止にしたのだ。通常ピータンは食用アルカリ、塩、石灰などに2か月程度漬け込む過程を経て出荷されるが、加工業者は製造期間を短縮するため卵を黒ずませる硫酸銅を混ぜていた。
食品問題評論家の垣田達哉氏は警鐘を鳴らす。
「日本で検査が実施されているのは輸出業者の届け出総件数の1割程度。残り9割は無検査で国内に流通している。食品衛生法違反で摘発される食品・食材は氷山の一角にすぎないということです。毒性の強い食品や食材が検査をすり抜けて日本に上陸していることは十分考えられます」
※SAPIO2013年9月号