2020年夏季五輪の開催地に東京が決まったが、五輪効果で恩恵を受ける銘柄にはどんなものがあるか。フィスコ・リサーチレポーターの三井智映子氏が注目するのは、広告業国内首位の電通(東証1部・4324)だという。
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広告国内首位でシェア2割強を誇り、国際オリンピック委員会(IOC)と親密な関係を築いている電通は、2020年の東京五輪開催では、多大な恩恵を受けることは間違いない。
すでに2014年ソチ冬季五輪と2016年リオデジャネイロ夏季五輪について、中央アジア5か国向けのテレビ、インターネットなどすべての放映権を獲得。日本オリンピック委員会や国内外の各種スポーツ団体とも強固な関係を持ち、各種スポーツの放映権、マーケティング権、マーチャンダイズ権などを独占的に販売できる権利を多数保有している。
英広告大手イージス社買収を要因とする2014年3月期業績の増収減益予想や、最大1100万株の新株発行と2900万株の自社株売却による需給悪化を懸念した売りが出て、株価は一時急落したが、それも底を打ったと思われる。
急落により割安感が高まったことに加えて、五輪の特需が期待されることや、ネット選挙解禁なども株価に好材料なので、今後、堅実な上昇が見込まれそうだ。
※マネーポスト2013年秋号