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宮崎駿 庵野秀明を「血を流しながら映画作っている」と評価

 映画『風立ちぬ』を最後に宮崎駿監督(72才)が引退を宣言したが、周囲では後継者問題が勃発している。

 後継者の最有力候補と目されていたのは、長男の宮崎吾朗氏(46才)だが、宮崎監督との確執も伝えられている。宮崎監督が心の中で“後継者に”と考えているのではといわれているのが、映画監督の庵野秀明氏(53才)だ。

『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズの監督として知られる庵野氏は、今回の『風立ちぬ』では主人公・堀越二郎の声を担当しているうえ、もともと、彼はジブリとの繋がりが深い。

「庵野さんは新人時代、『風の谷のナウシカ』のアニメーターに応募したんです。その才能を認めた宮崎さんが採用を即決し、劇中の重要なシーンである、巨神兵が崩れ落ちる場面を庵野さんに担当させました。それだけでも異例の抜擢なのに、宮崎さんはできあがった原画に、ほとんど直しも入れなかったんです。それほど庵野さんの描いたものは宮崎さんのイメージに近いものだったんです」(映画関係者)

 2人が一緒に仕事をしたのはこの一度きりで、その後、庵野氏が宮崎作品に参加することはなかった。

 1997年には庵野氏が監督を務める『新世紀エヴァンゲリオン劇場版』と、宮崎監督の『もののけ姫』の公開がバッティングし、2人が火花を散らした。

「この時、庵野さんは『もののけ姫』について、“作品の構図がダメ”と辛口の評価をしました。一方の宮崎さんはエヴァについて、“3分と見られない。見るに堪えない”とこき下ろしていました」(前出・映画関係者)

 そんな“舌戦”を繰り広げながらも、『風立ちぬ』では、19年ぶりに力を合わせた2人。そこには、引退を決意していた宮崎監督の秘めた思いがあったという。

「宮崎さんはいろいろと苦言を呈しながらも、作品作りに一途に打ち込む庵野さんの姿勢を“血を流しながら映画を作っている”と、高く評価していました。庵野さんも心の中では宮崎さんを尊敬し、折に触れて宮崎さんの元を訪れています。

 今回、彼が『風立ちぬ』で庵野さんを起用したのも、もう一度ジブリと庵野さんを結びつけたいという思いがあったからでしょう」(宮崎監督の知人)

 庵野氏には、何度も宮崎監督に訴えかけている夢がある。思い入れの深い『風の谷のナウシカ』の続編を、自分が監督として撮ることだ。この庵野氏のラブコールを長年許可しなかった宮崎監督だが、ここにきて様子が変わったという。

「最近になって、宮崎さんは“庵野なら撮らせてもいいかな…”と漏らすようになったんです。一方の庵野さんも“ジブリの人間になってもいい”と親しい人に話しているようです」(前出・宮崎監督の知人)

 6月に開かれた『風立ちぬ』の完成報告会見で庵野氏は宮崎監督についてこう語った。

「映画はこうやって作るんだと見本を示してくれた人。私にとって“師匠”です」

※女性セブン2013年9月19日号

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