平安・鎌倉時代以来の千年猛暑と呼ばれる今年、消防庁の発表に寄れば、7月からの熱中症による救急搬送がすでに51,000人を超えている。7~9月期の熱中症による救急搬送数としては、30年に一度の異常気象といわれた2010年の53,843人(7~9月期)にせまる数になりそうだ。
雨が少ない今年の夏は、強い紫外線はもちろん、夏バテで心も体もぐったりしている人も多いはず。弱った体には酸化=老化を止めてくれると今、水素アイテムが話題になっている。
「心理的なストレスや紫外線、環境ホルモンなどにさらされると、人間の体は必要以上に酸素が取り込まれた”過酸化”状態になります。酸素は人間が生きるために必要ですが、活性酸素は遺伝子やたんぱく質を傷つけ、老化やがん、動脈硬化などの生活習慣病を誘発することがわかっています」
そう話すのは、昭和大学の佐藤均教授。過酸化状態を押さえる物質として、水素が注目されているという。
「水素は酸化物質である活性酸素と結びついて水になります。つまり水素は過酸化状態を還元して、中和する力があるのです。薬学の世界では、水素または水素化物の強い還元作用を使った実験がよく行われていますが、水素自体に動脈硬化やがんの予防に効果があるという論文が複数発表され、水素に興味を持つ人は増えています」
水素を積極的に取り入れたいと思っても、水素は空気中にほとんど存在せず、また安定した状態での保管がしづらい上に、引火すると爆発するため、水素だけを集めて吸引するといったことは難しいという。
それでも、最近は手軽に水素を取り入れられるように、水素が入った飲料や化粧水、サプリメントなどが登場している。
たとえば、サプリ「マナ水素」(120粒入り、2万9000円/カルナ)は水素をカプセル化して持ち運びが手軽。水素を逃さない特殊なパウチで密封されたローションマスク「アクアオーラ ハイドロジェンローション」(1.8ミリリットル×60包、4800円/ラボーテ・ジャポン)は、マイナス電位を帯びているので、紫外線を浴びてストレスたっぷりの肌にスーッと浸透する。
長い年月をかけて富士山から湧き出た水素水「天然水素水 VanaH」(500ミリリットル×24本、8100円/2000ミリリットル×12本、6800円/バナ エイチ)を飲めば、直接的に体に水素を取り込める。紫外線による酸化で夏疲れした肌には、スプレーにしてふきかけても良い。
「水素は宇宙で一番小さい分子で、細胞も通り抜けることが出来ます。そしてすぐに拡散します。美肌目的なら、目的の部位に直接つけることでその部分の酸化=老化を還元することが出来るでしょう。健康目的なら水素の入った水やサプリを摂取し、直接体内に取り入れると良いと思います」(前出・佐藤教授)
特に水素水は、選ぶ際に注意が必要だという。
「水素は軽く、すぐに飛び散ってしまうため、保管は至難の技です。また、水の中に人工的に水素を圧力で溶かし込む場合、気体が液体になじみにくいこともあり、短時間で抜けてしまいます。人工的に水素が添加されたものは抜けないように密封されたものを選び、すぐ使用することが大切です。
扱いやすいのは天然の水素水でしょう。長い時間をかけて岩の間から湧き出る間に、水素化したマグネシウムやケイ素を水の中に多く含むようになった天然水素水からは、時間の経過や加熱によっても水素が抜けにくく、コーヒーや料理などにも使いやすいです」(前出・佐藤教授)
残暑疲れが出やすいこれから、話題の”水素”を利用して身も心もリフレッシュし、秋と冬に備えよう。