早朝から深夜まで1日約1万人が集まる皇居ラン。ランナーが増加するにともない、歩行者とのトラブルが増え、自転車との接触事故も後を絶たない。今年6月、千代田区がランナーや自転車利用者などに向けて9か条のマナーを策定したほど(9月1日から適用)。
9か条のなかには、注意力が散漫になり、他の人に追突する危険性が高まるとして、音楽プレーヤーなどを聴きながらの「ながら通行は控える」ことや、混雑時や接触の危険を感じたときは、「タイムよりゆとり」と、立て看板も立て注意を呼び掛けている。
ランナー同士のトラブルも浮上している。自らも週に2回は皇居外周を走るライターの氏家裕子さんはこう話す。
「皇居ランでは反時計回りが暗黙のルールなんですが、初心者のなかには逆方向から走ってくる人もいるんですね。そうするとラン歴が長くルールを重んじる人は猛烈にキレたりします。あとは1列で走らないといけないところ、2列になっていたりすると“これだから初心者は…”って通り過ぎる瞬間、舌打ちされたり。走り始めるときはなるべく経験者の話を聞いてからにしたほうがいいかもしれません」
トラブルといえば忘れてはならないのが体調やケガなどのアクシデントだ。
『忙しい人のためのマラソン講座』の著書があるランニングトレーナーの前田浩美さんは「健康が目的で走っているのに、ケガをしてしまったら元も子もありません」と言う。
「まず走る前と後には必ず充分なストレッチをすること。走り始めはゆっくりすぎるくらいゆっくり走る。ジョギングを始めてみたけれど続かない人の特徴は、速く走りすぎてしまうからなんです。中学校や高校時代のマラソン大会のイメージのまま、スピードを出して息があがっても我慢して走る。これでは続くほうが不思議です。追い越されると焦るのも初心者の特徴ですね」
初心者は3日続けて走るより、1日、2日おいて走ったほうが体に無理がなく、結果的に脚力がつくのだそう。
※女性セブン2013年10月17日号