様々な分野での応用が期待されている3Dプリンター。特に期待が高いのが医療分野への応用だ。すでに3Dプリンターの登場によって、歯科治療の現場は大きく変わろうとしている。
ここは、東京・中央区の八重洲歯科診療所。3Dプリンターから飛び出したドリルが1センチ角のセラミックを削り出していく。時間にしてわずか5分、患部の型取りをすることなく詰め物は完成した。これまでは院外の歯科技工所に依頼し、約1週間を要した詰め物治療だが、この「セレック」システムは当日治療。
撮影した画像をもとに、医師が形や角度を設計し、その場で詰め物を完成させる。すべての処置完了は1時間半ほどだ。
気になる装着感だが、「下処理を丁寧に行なうことで隙間なくピッタリと装着でき、詰め物の下の二次的な虫歯も抑制します」と、話すのは中村昇司院長。21世紀の産業革命といわれる「3Dプリンター」が歯科治療の現場を変えている。
治療費は詰め物1歯6万3000円、被せ物1歯12万6000円という。
撮影■太田真三
※週刊ポスト2013年10月25日号