どの国でも変わらないのは、この食費をいかに切り詰めるかという主婦の苦労と、そこから生まれた節約の知恵。日本人男性を夫に持つ外国人妻3人が、異国に生まれ、日本に暮らしている彼女たちだからこそ話せる食費節約術と節約哲学をあつく語る。
【座談会参加メンバー】
ウルリカさん(スウェーデン、45才):ライフコーディネーター。娘3人と空手師範の夫との5人暮らし。
アイダさん(イラン、24才):モデル、ベリーダンス講師。日本人男性との結婚をきっかけに今年4月に来日。
ワンダーさん(ミャンマー、56才):通訳。24才の娘と一級建築士の夫との3人暮らし。日本に来て30年になる。
ウルリカ:私が日本に来てびっくりしたのは、子供たちが毎日お菓子を食べてること。スウェーデンではお菓子類は毎週土曜日だけですよ。お菓子代に1日100円でも1か月3000円になるから、すごいもったいないって思う。
スウェーデンはみんな共働きで忙しいんだけど必ず、料理は手作り。出来合いのものを売ってるなんて日本だけだし、これは無駄遣い。
ワンダー:私もお総菜屋さんがあるのが理解できない。私は、料理をたくさん作って、なくなるまで同じメニューが基本。朝昼晩1週間、なすのひき肉カレーとか当たり前。
アイダ:イランもそんな感じです(笑い)。パンは生地から、カレーはペーストから作るので、料理するって大仕事なんですよね。1回に2時間くらいかかりますから。日本の料理は簡単すぎ。チンすれば5分でできちゃうから、メニューを毎日変えられるんですよ。
ウルリカ:日本の節約って、ほとんど自分のためにするじゃないですか。スウェーデンは環境をすごく大事にするから、CO2を削減することをまず考えるんです。買い物をする時は地元でとれた野菜、肉を選ぶとか。飛行機で運ばないため、輸送によるCO2の排出量がかからないですから。お金の節約ではなく地球のための節約です。
ワンダー:私は節約したお金は、ミャンマーに寄付をします。仏教徒がいちばん多い国だから、男の子は得度式(僧侶になるための儀式)があるのですが、お金がなくてその儀式ができない人のために、お布施をします。ミャンマーには来世思想があって、来世で困らないようにするためにも、お布施は大切な行為なんです。
アイダ:イランでも、寄付をするのは当たり前。習慣になっていて、しないと変な気持ちになる。
※女性セブン2013年11月7日号