日本人はお金を持っていようが持っていまいが、幸せになれないケースが多い──ベストセラー『カイジ「命より重い!」お金の話』(サンマーク出版刊)の著者である木暮太一氏はそう指摘する。同作ではマネー・リテラシーを高める数々の知識が紹介されている。その一部を見てみよう。
(1)「自分へのご褒美」はただの浪費
「何か買うこと」自体を目的にしてはならない。
(2)「同じ満足感」を得るのに必要なお金は増えていく
同じ浪費をしても満足感はどんどん下がる。「限界効用逓減の法則」と呼ばれる考え方。
(3)「リボ払い」は貸す側が得をする
リボ払いは「元利均等返済」が多い。返済期間が延びるほど毎月の返済に占める利子の割合が増え元本が減らない。
(4)「連帯保証人」の断わり方
「家族はなんて言ってるの?」と聞くのが効果的。消費者ローン利用者の約7割が家族にも相談していないというデータがある。
(5)「借金の利子」は将来受け取れるはずだったお金
借金は「将来自分がもらえたはずのお金から、前借りの手数料を引いた額を今日受け取った」ものと考える。「現在割引価値」の考え方。
(6)「返ってこないお金」はなかったものと考える
サンクコスト(支払い済みの費用)は今後の判断材料にしてはならない。「お金を注ぎ込んだら後には引けない」と考えるべきではない。
(7)「見えないコスト」を意識せよ
5時間パチンコして1000円すった場合、「1000円の損」ではない。その時間で稼げたはずの額を失っている。「機会費用」という考え方。
より詳しい解説が木暮氏の著書に掲載されている。こうした知識を身につけることが、これからの時代を生き抜く必須条件となる。
※SAPIO2013年11月号