東京では2020年に五輪とともに障害者スポーツの祭典「パラリンピック」も開催される。この大会の意義を深く理解するためパラリンピックが抱える一つの問題を解説する。
五輪と同様パラリンピックにもドーピングなどの不正行為もあるが、障害の重度をごまかす不正もある。
2000年のシドニー大会では、バスケットボール男子(知的障害)を制したスペインの12選手のうち10選手が健常者だったという不正が判明。そのため知的障害の部は、その後2大会にわたって中止を余儀なくされた。国際パラリンピック委員会はロンドン大会で医師の証明書や実技試験などを課すなど国際基準を作成したが、不正防止の実効性には疑問の声もある。
ロンドン大会では、大会直前の測定で40選手がクラス変更となっている。選手が意図的に障害を重く見せたのかはわからないが、この事実はパラリンピックの根幹を揺るがしかねない問題を孕んでいる。
※週刊ポスト2013年11月8・15日号