この秋、なんと携帯キャリア大手3社が揃ってガラケー新モデルを発表した。ドコモにいたっては実に1年ぶり。なぜ今、ガラケーなのか。その理由を「実は、スマホが普及しているのは都市部だけ」と明かすのはモバイル評論家の木暮祐一氏だ。
「地方では圧倒的にガラケーが支持されています。復活の背景には、強いニーズがあったということです」
木暮氏によると、スマホの使いづらさはその構造に根ざしているという。
「音声通信技術の低いスマホもあり、少し顔の向きを変えるだけで、通話が途切れがちになってしまうことがある。ガラケーに比べて質の劣るマイクやスピーカーを使っている機種もあり、明らかに音が悪いです」
ほぼ“小さなパソコン”で何でもできるスマホは通話機能だけを取り出すと、専門機たるガラケーに劣る面がある。木暮氏は「スマホは海外メーカーが強いので、そこは任せて、国内メーカーはガラケーへ回帰という流れが出てくるかも」と予想する。実際にドコモの新ガラケーはスマホから撤退したNECと、個人向けスマホの開発を休止したパナソニックの製品だ。
※週刊ポスト2013年11月8・15日号