貪欲で気が強いのは、一般的な中国人女性の気質である。中国社会に詳しい経済学者の田代秀敏氏が中国の夫婦生活解説する。
* * *
理想の結婚のパターンは、男が外資系企業の社員で、女が国有企業の社員というもの。これは夫が高給を得て、妻が社会保障を確保するという戦略的互恵関係だ。
妻は自分の人脈を総動員して、何とか夫を出世させようとする。日本人女性が夫に「お仕事がんばって」などとエールを送るのとは次元が違う。中国人女性は夫の出世を、よりよい生活を得るための手段と捉えている。
また、彼女たちは結婚しても出産しても滅多に仕事を辞めない。社会主義の国だからという以前に、リスクヘッジが大きな理由だ。結婚しても姓が変わらないことが象徴するように、あくまで「個人」として考え行動する。夫は失業するかもしれないし、離婚するかもしれない。常にリスクを計算している。
家事は多くを夫がこなすことになる。基本的に料理は夫の仕事である。にもかかわらず、彼女たちは「料理はすれば上手」と堂々と言い張る。本当に上手な女性もいるが、平均的な日本人男性よりも下手な人も珍しくない。
※SAPIO2013年11月号