ブラック企業問題や非正規雇用、派遣切りなど、ニュースでは毎日のように庶民たちの厳しい雇用状況が報じられているが、欧米や韓国でも景気が低迷し、貧富の格差が広がっている。お隣の韓国では経済成長がストップ。ウォン安による物価高と収入ダウンのダブルパンチに見舞われている。韓国在住のライター、藤原修平氏が言う。
「ソウルなどの都会では年収3000万ウォン(約300万円)あればぎりぎり暮らしていけますが、それから500万ウォン(約50万円)減収になれば生活は厳しい。大半を占める低所得者層は条件のよい会社に転職しようと必死で求職活動をしています」
韓国では社会インフラが日本のように整っておらず、お金をかけずに楽しめる娯楽が少ないという。
「日本では一日中図書館で本や新聞を読んですごしたり、どの街でも家族が無料で楽しめるイベントに参加したりできます。しかし韓国では図書館は一部を除いて狭苦しいし、イベントはお金を使わせるようになっています。お金がないと楽しめないのが韓国社会です」(前出・藤原氏)
※SAPIO2013年11月号