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仕事減っても楽観視のスペイン人「家族友人との時間増える」

 経済不況で多くの市民が苦しんでいるのは日本だけの話ではない。深刻な経済危機が続くスペインでは、失業率が26%強(4~6月期)に達し、若年層に至っては50%をゆうに超える状況が続いている。しかし、放送関係の仕事をしているフリーランスのマルク・ルイスさん(36歳)は屈託なくこう話す。

「経済危機の前までは月2500ユーロ(約33万円)の月収がありました。しかし今では1500ユーロ(約20万円)に届かない。お金をためてマイホームを購入するのが夢でしたがあきらめました。でも仕事が減った分、家族や友達と過ごす時間が増えたのはよかったです」

 なぜ楽観的なのか。

「失業率が高い割に治安は荒れていないし、人々は陽気に暮らしています。親族の中に困った人がいると、親族全体で支えあうセーフティネットが機能していることが大きい」

 そう指摘するのはバルセロナを拠点に欧州で活動するジャーナリストの宮下洋一氏だ。

「欧州でも北部のゲルマン系に比べて地中海沿岸に住むラテン系の人たちは楽観的です。将来に希望が持てなくても、毎日を楽しく過ごせばいいという意識が強い。フランス南部のプロバンス地方の人たちは、日曜になると親戚の家にワインや手作りの料理を持ち寄り、楽しそうにわいわい騒いでいます。裕福なのに余裕がなく、将来を悲観しがちな日本人とは対照的です」

※SAPIO2013年11月号

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