宮沢賢治が『雨ニモマケズ』で、理想の暮らしとして“一日ニ玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲタベ…”と詠んだのは遠い昔。糖質オフが主流の今や、お米は“ダイエットの敵”と隅に追いやられている。
そんな中、テレビ番組の企画でエド・はるみが、ごはんとみそ汁が中心の“お米ダイエット”に挑戦、2週間で体重4.6kg減、体脂肪率7.7%減に成功して反響を呼んだ。そのプログラムを考案したのがダイエット・アドバイザーで管理栄養士の柏原ゆきよさん(40才)。
著書『お腹からやせる食べかた』(講談社)では、すっかり浸透してしまった糖質制限が体の不調や生活習慣病を招き、お米中心の食事こそが体温を上げ、脂肪が燃焼する体質に変わると提唱している。
「お米は活動のエネルギーになり、体温や代謝を高めてくれます。血糖値だけを気にして控えるのはよくありません。お米を現代の2倍以上食べていた40年前の方が糖尿病も肥満も断然少なかった。ごはんを減らしおかずが増えると、食事中の脂質の比率が上がり、代謝が悪くなります。その結果、お腹ぽっこりの肥満が増えたのです。カロリーを気にする人も多いのですが、日本人の総摂取カロリーは年々減っており、カロリーだけが問題ではないのです」(柏原・以下「」内同)
体の脂肪を最も効率的に燃やす栄養バランスは、肥満の人が少ない1970年代の食事バランス。食事をお弁当箱に詰めた時のイメージで、ごはんとおかずの割合が6:4程度。
また、お腹ぽっこりの原因は、“栄養過剰”だけではなく“栄養不足”であり、カロリーの燃焼に必要な栄養を補えば、自然とお腹からやせてくるという。
「カロリーの燃料となるのは、炭水化物、たんぱく質、脂質。これらを効率よく燃やすためにビタミンとミネラル、余計なものを外に出すために食物繊維が必要です。それらを簡単に補える食材が雑穀。食べれば、体は確実に変わってきます」
もうひとつ、お米がお腹やせに有効な理由は、咀嚼と消化による運動にもある。
「胃腸は筋肉でできているので、しっかり動かすと中から腹筋をしていることになり、お腹が引き締まります。ごはんを食べると、運動した時と同じように体が温かくなりますよね。咀嚼と消化は、食べるエクササイズなのです」
短期間で結果を出すには、3食、雑穀ごはん+みそ汁だけの10日間プログラムが効果的。中にはウエスト8cm減という人もいるほど。
※女性セブン2013年11月21日号