気温が急に下がり、風邪をひく人が急増しているが、広く“治る”といわれている対策が実は逆効果なこともある。
例えば、【熱が出そうなときは熱いお風呂に入ってガンガン温まる】のはNGだと薬剤師・ 衛生検査技師の三上彰貴子さんは解説する。
「お風呂で温まるだけで免疫力が上がると勘違いする人もいますが、実はウイルス増殖を後押しする結果に。また、入浴はかなりエネルギーを消耗します。風邪をひいているときは、原則としてエネルギーを消耗する行動は控え、休息に徹するほうが賢明です」
また、【お昼に薬をのみ忘れたから夜、2回分のむ】のも危険だという。
「薬は用法用量を守らなければ、効き目を発揮しません。1日3回タイプの薬なら最低4時間、2回なら6~8時間あければ、のむことができます。気がついたときが次の服用時間なら、1回抜いて、2回分のまないこと! 成分の濃度が変わり、危険です」(三上さん)
【風邪をひいていてもお酒のアルコールでウイルスを撃退する】なんていう人もいるが…。
「薬とアルコールを一緒に摂ると、薬の成分が強く出すぎる場合があり、危険です。とくに、ヒスタミンが含まれた薬は、眠気を助長します。また、アルコールをよく飲む人は、痛み止めのアセトアミノフェンで肝臓を傷める場合も。医薬品の栄養ドリンク剤も、アルコールを含んでいる場合があるので要注意です」(三上さん)
【しっかり厚着と暖房で大汗をかいてウイルスをやっつける】も間違いだと、東京慈恵会医科大学准教授・医学博士の浦島充佳さんは指摘する。
「汗をかいたから治るのではなく、治ったサインとして汗が出るというのが正解。体温を上げて活性化した免疫がウイルスを打ち負かし、風邪が終息に向かうと、汗をかいて体温を戻すのです。ですから、風邪を治すために無理に汗をかくというのは、エネルギーを消耗するだけで、逆効果。また暖房のつけすぎは部屋の空気が乾燥するのでNGです」
※女性セブン2013年11月21日号