来年3月で『笑っていいとも!』(フジテレビ系)が終了することになったが、現在、昼12時に放送されている民放番組は、『いいとも!』の他、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)、『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)、『ひるおび!』(TBS系)が並ぶ。『いいとも!』以外は、情報番組や報道番組だ。
視聴率も『いいとも!』が1位でない日も珍しくなくなった。最近の私たちは、生活に役立つ情報やニュースを求める傾向にあるようだ。
『ひるおび!』プロデューサーの志賀順さんは言う。
「今の視聴者は、堅すぎるんじゃないかというテーマにこそ興味を持ちます。例えば、アメリカ政府の債務不履行の問題を取り上げた時も、視聴者の評判がよかった。10年前では考えられません」
その理由は2つ考えられる。ひとつは、インターネットや携帯電話の普及だ。デーブ・スペクターが言う。
「今の日本人はいつもスマホをいじっていて、常に情報を求めている時代なんです。バラエティーでいえば、テロップをたくさん入れて、画面全部を使って情報をとにかく詰め込むのが主流ですが、『いいとも!』は生放送だから、それができない。
私は、『いいとも!』自体がパワーダウンしたのではなくて、視聴者側の“見る力”、つまり読み取る力がなくなってきたんだと思っています」
そして、もうひとつが、2011年3月11日に起こった東日本大震災だ。1996年に始まった『ワイド!スクランブル』プロデューサーの岡本和彦さんは言う。
「『いいとも!』と『おもいッきりテレビ』の巨大番組と差別化を図るために、私たちが目指したのが、ニュース性の高い番組でした。
大震災以降の視聴者は、ニュース番組への関心が高くなったと感じます。なぜ地震が起こったのか、なぜ原発神話は崩壊したのか、とその理由を深く考えざるを得なかった。だから、その背景にあるものを求めるようになった。昔は天気予報といえば純粋に予報中心でしたが、視聴者は今、気象がどうなっていくのか、なぜそうなるのかというメカニズムにまで関心があるように思えます」
※女性セブン2013年11月21日号