国内でも利用できるFX会社が増加し、一般的な認知度も高まってきている「システムトレード」(シストレ)。ユーザーがパソコンの前に座っていちいち売買注文を出さなくても、シストレによる自動売買で利益をあげられる――と聞けば、FXトレードをやったことがない人でも興味をそそられるだろう。
しかし、予備知識なしに、いきなりビギナーが始めるには無理がある。ひと口にシストレといってもさまざまな種類があり、FX会社各社が同じタイプのシステムをラインナップしているとは限らない。会社によっては、独自にパッケージしたものを提供しているところもあり、まずは、シストレの種類を理解することが大事だ。
シストレは大きく分けて2つのタイプがある。通称『MT4』(メタフォー)と呼ばれる『Meta Trader』(メタトレーダー)と『Mirror Trader』(ミラートレーダー)である。
「メタフォー」は、ロシアのメタクォーツ社が開発したソフトで、現在のバージョンは4番目。シストレをするためには、メタフォーをインストールした上で、売買シグナルを出す「インジケーター」がプログラムされている「エキスパートアドバイザー」(EA)をインストールしなければならない。自動売買ソフトであるEAをユーザーがプログラミングしたり、カスタマイズできるメリットはあるものの、その分、デジタルの知識が求められる。使いこなすには、為替チャートやテクニカル指標の知識も必要であり、つまり、『MT4』はFXの中・上級者向けのシストレと言えるだろう。
一方、「ミラートレーダー」は、イスラエルのトレーデンシー社が開発。プロのディーラーが行なっている売買システムを、そっくりそのまま利用できるという意味で、“ミラー(鏡)トレーダー”と名付けられている。最大の特長は、手軽にシストレができる点。売買シグナルを出す「ストラテジー」は、すでにミラートレーダーに組み込まれており、実際にトレードするときにはストラテジーを選ぶだけでOK。メタフォーのように新たにEAをインストールする手間がかからず、ビギナーでもすぐに使いこなせるように工夫されている。その結果、国内では、ミラートレーダーを使うFXユーザーが急増しているのだ。
しかし、カンタンに利用できるといっても、ミラートレーダーを使ってFXで利益を出すには、やはり使いこなすためのコツがある。それは利益を出すストラテジーを選ぶこと。 実は、このストラテジー選びがなかなか難しい。どんな相場でも利益が上げられる「万能ストラテジー」は存在しないからだ。「動きの少ない相場に強い」、「乱高下する相場に強い」など、ストラテジーにはそれぞれの特長がある。ミラートレーダーで利益を出すには、ユーザーが相場に合ったストラテジーを選ぶノウハウが必要となる。
そこで、ミラートレーダーを提供するFX会社では、ストラテジー選びに関するさまざまなサービスを展開している。
例えば、インヴァスト証券の『シストレ24』というミラートレーダーは、好調なストラテジーをランキング形式で紹介したり、ストラテジーのデータをアイコンで表現する、といったサービスを提供している。また、セントラル短資FXの『セントラルミラートレーダー』でも、好調なストラテジーのランキングを、細かいデータとともに掲載している。
いずれも、ユーザーが選びやすいような工夫が加えられていることから、多くのユーザーを集めている。その一方で、「足下で好調なストラテジーを選ぶ」という傾向に終始すると、相場環境の変化について行く必要が出てくる――為替相場は時々刻々と環境が変わるということは、日常茶飯事だからだ。
そうした点を解消するために、新しい発想が登場してきている。複数のストラテジーを組み合わせて、ひとつひとつのストラテジーの弱点を補うという発想だ。あらかじめ複数のストラテジーでトレードすることで、収益のブレを抑えるわけである。投資信託を組み合わせて作る「ポートフォリオ」の考え方に近いだろう。
ただし、ストラテジーでポートフォリオを作るというこの戦略でも、ストラテジーの組み合わせをユーザーが考えなければならない、という問題が残る。それを予め組み合わせた商品も展開しているのが、FXプライム byGMOの『選べるミラートレーダー』だ。この『選べるミラートレーダー』には、為替のプロが300種類以上から厳選したストラテジーをパッケージした「ストラテジーパック」がある。為替やポートフォリオの知識が少ないビギナーでも、これを使えばバランスの取れた取引きが手軽に始められる。
また「ストラテジーパック」を使うメリットとしては、トレードを繰り返すことで、それぞれのストラテジーの特徴や、ミラートレーダーの使いこなし方が分かってくる点。パッケージで安定した運用をしながら、単体のストラテジーへの理解が深まれば、自分の運用スタイルに合ったストラテジーを選択することができるようになる。実践しながら、シストレのノウハウが身に付く、心強いツールのひとつとして、検討してみるのも良いかもしれない。