慰安婦問題、竹島不法占拠、パクリ産業……韓国がついてきた「嘘」で日韓関係は悪化の一途を辿っている。国際情報誌『SAPIO』ではその嘘を暴く特集を組んでいる。特集のなかの記事で、悪化した日韓関係について大前研一氏が解説している。その一部を紹介する。
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韓国は今回の関係悪化は日本に問題があると主張している。「日本が正しい歴史認識を持っていないからだ」と言うのである。
「正しい歴史認識」を持っていないのは韓国のほうだ。同じく日本の統治下にあった台湾は、技術者・八田與一による農業水利事業など日本の貢献に感謝し、極めて親日的になっている。占領にはデメリットもあったはずだが、メリットとデメリットを整理し、「やはり日本の統治があったから近代化できた」と評価しているわけである。
そんな台湾のほうが、韓国よりも「正しい歴史認識」を持っていると私は思う。今の台湾が強いのは、日本を熟知し中国を利用し、中国で作った商品を世界中に売りまくる「したたかさ」を持っているからだ。
今こそ韓国には「日本の占領によって、どんなメリット・デメリットがあったか」というバランスシートを作り、「対日関係の棚卸し」をさせるべきである。
これまで私は200回以上にわたって韓国を訪れ、政財界をはじめ様々な分野の韓国人と議論し合ってきた。その経験から分析すると、韓国の対日感情は非常に複雑で、立場や世代、時代により大きく異なる。この問題は少なくとも「政府」「財界」「マスコミ」「一般大衆」に分けて考えなければならないと感じている。
まず財界、なかでも第1世代の財閥トップたちは、例外なく日本の貢献を真っ当に理解している。彼らには日本の大学を卒業した者も多く、日本語を話せる。戦後は日本の技術を導入し、我が国から部品や機械を買って発展してきたため、日本とのつながりが最も重要だと知っているグループだ。
だから、常に日本のニュースをチェックし、息子たちにも日本語を学ばせた。そして彼らは、韓国が反日的である最大の原因が「教育」にあると認識していた。すなわち、中学校や高校に傷痍軍人を連れてきて日本兵にひどい目に遭わされたという話をさせて子供たちを“洗脳”している現実をきちんと問題視しているのである。
※SAPIO2013年12月号