大人の女性の20人に1人はフーゾク業経験者!? そんな驚きの分析を著書『夜の経済学』(扶桑社刊)で披露したのはエコノミストの飯田泰之氏だ。
そんなに多くの女性が風俗業界に足を踏み入れているとはにわかに信じられないのだが、飯田氏はこう分析する。
「現在、日本で営業している風俗店は約1万店あります。さらに、風俗店のHPの女性在籍情報などの分析から1店舗あたりの風俗嬢は30人程度だと考えられます。つまり、1万店舗×30人で、累計30万人の現役風俗嬢がいる計算になります」
さらに、すでに引退した人を含めて風俗業を経験した女性が何人いるのかを知るためには、風俗嬢が平均何年間業界で働くのかという推計が必要になってくる。
「しかし、風俗嬢の平均就労年数についての資料は少ないんです。やむを得ず、法務省の矯正施設である婦人補導院が出した昭和40~50年代のデータから類推しています。
それによると、平均就労年数は約10年。つまり、毎年約3万人の新人が誕生して、約3万人が辞めていく計算になる。2012年の人口推計では、25~29歳の女性は1学年あたり約70万人なので、そのうちの約3万人=約5%が風俗嬢を経験するという計算になります」(飯田氏)
このようにして「20人に1人」説は生まれたわけだが、この数字はあくまで仮定に仮定を重ねた結果であるため、実情とは誤差が生じている可能性もある。
「婦人補導院の統計データを使用しましたが、平成になってから婦人補導院への入所者がほとんどいないために直近の実態とは乖離している可能性もあります。ですから、今回の『20人に1人』というのは、あくまで参考値と考えてください」(飯田氏)
※週刊ポスト2013年12月6日号