11月15日、アメリカの新しい駐日大使としてキャロライン・ケネディ氏(56才、以下敬称略)が来日した。
ジョン・F・ケネディ元大統領(享年46)の長女として生まれたキャロラインは、3才でホワイトハウスに移り住んだ。母・ジャクリーン(享年64)がホワイトハウスを改装し、テレビクルーなどをよく招いていたことから、キャロラインの愛らしい姿がメディアに登場することもたびたび。キャロラインは仕事中の父の部屋に忍び込んでは、集まった記者たちを虜にしていた。
幼いころから米国民に成長を見守られてきた特別な存在で、日本でも彼女の生活ぶりが少女誌で漫画や連載ストーリーになるほどだった。
しかし、そんな一家を大きな悲劇が襲った。それが1963年、父の暗殺事件だ。遊説旅行のため訪れていたテキサス州ダラスでオープンカーに乗り込み、パレードを行っていた最中、突如銃声が聞こえ、銃弾はケネディの頭に命中。同乗していた妻のジャクリーンはホワイトハウスへ戻ってからも夫の血が染みついたスーツのままマスコミの前に現れた。
その様子は世界中に衛星中継された。日本では初めての衛生中継ということもあり、多くの人の心に衝撃をもって刻まれた。
「お葬式の時のキャロラインと弟のジョンJr.のいたいけな表情が世界中に配信されて、みんなが親戚のおじちゃん、おばちゃんのような気持ちになりました」(ジャーナリスト・佐藤友紀さん)
さらに悲劇は続く。ケネディの弟で、キャロラインの叔父である元司法長官ロバート(享年42)も1968年、大統領選の選挙活動中に暗殺された。
そもそもケネディ家は“呪われた一家”といわれていた。著書に『その名はアメリカ大統領夫人(ファースト・レディー)41の愛と野望』(徳間書店)を持つジャーナリストの多賀幹子さんは言う。
「他にも、ケネディ元大統領の兄・ジョセフJr.(享年29)は戦死、妹のローズマリーさんは精神の病を発症し、晩年はほとんど廃人になってしまいました。妹のキャスリーンさん(享年28)と、ケネディの息子であり、キャロラインの弟にあたるジョン・F・ケネディJr.(享年38)はそれぞれ飛行機事故で亡くなりました。輝かしい栄光の裏には恐ろしい悲劇が存在しているのです」
そうしてジャクリーンは、キャロラインら子供たちの身の危険を感じ、表舞台から姿を隠した。
※女性セブン2013年12月12日号