国際情報誌『SAPIO』で韓国の「嘘」を暴く特集を組んでいる。そのなかで整形についての記事の一部を紹介する。老いも若きも整形に熱心な韓国では、「顔が変わった子供」に対する親の違和感や、「生まれた子供と顔が似ていない親」が引き起こす家族間のトラブルが語られ始めた。「整形大国」で家族が壊れつつある。在韓国ジャーナリストの藤原修平氏が解説する。
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親子で顔が違えば家族愛が損なわれるというわけではないが、整形が家族に亀裂を及ぼし始めていることは確かだ。
50代の有名男性タレントは、整形美人になった20代の娘に対する複雑な心情をテレビで吐露した。娘は父親によく似た愛嬌ある顔立ちで小太りだったのが、手術後は目鼻立ちがくっきりとしたモデル系の女性へと変貌した。
「鼻を高くし、眼を二重にして、お腹の脂肪を取って額に移した」という。このタレントは「整形で娘に自信がついた」と言いながらも、「悲しい気持ちもある。自分の姿がどこにもないから。娘が遠いところに行ってしまったようだ」と嘆いた。
30歳のセクシー系女性歌手は、容姿を批判するネットの書き込みに苦しんだ挙げ句、整形を決意したという。この歌手は「顔が変われば人生が変わると思い込んでいた」が、手術後も周囲からの中傷は止まなかった。母親はテレビで整形後の娘を見てショックを受けたと話し、「整形なんかしなくても可愛い娘なのに」と涙を流した。
ある40代男性は、外見づくりに励む妻のことで悩んでいる。「バストの形が悪くなるから」生まれた子供に母乳を与えなかったほど、整形美にこだわる妻。周りからは美人の奥さんだと羨まれるが、子育ても家事もせずに整形に走る妻は、夫からすれば「魂のない人形」のようなものだという。そのほか、自分以外の家族全員が整形したため家族と過ごす時に違和感がある、という声も実際に聞かれた。
現在、韓国政府は整形が低年齢化していることを憂慮し、未成年者への手術を禁ずる法律の制定を検討している。実現すれば、整形美人の子は成人になるまで顔を母親に似せることはできない。その後も整形しない限り、「似ていない親子」であり続ける。
※SAPIO2013年12月号