IT新興ビジネスの寵児として先頭を切っていた堀江貴文氏が裁判や服役している間にスマホが普及し、ソーシャルメディアに何が登場するかが最大の関心事となった。『ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく』(ダイヤモンド社)が発売1週間で17万部を超え好調な堀江氏に、現在のIT業界がどうみえているか、プロインタビュアー・吉田豪氏が聞いた。
──ソーシャルメディアといえばスマートフォン用にグルメのアプリ(TERIYAKI)も始めましたね。なんでまた?
堀江:いや、実は結構時間があるんですよ(笑い)。
──なさそうですけどね。
堀江:あると思っていろいろやったらなくなってきたって話なんですけど(笑い)。
──いまネット業界に対して思うことってあります?
堀江:ぬるい! 遅い! 「LINEってすごい!」ってみんな言ってるんですけど、べつにすごくねえだろ、それくらいできて当たり前だろっていうのがわからないみたいですね。
ネット業界の人に言われますもん、「堀江さんがいなくなってみんなサボってるよ」「あのころはライブドアのスピードについていかなきゃって、みんな焦って大変だった」って。それで必要のない買収までしちゃって、あとで火を噴いたりしてる会社は多かったですよね。
──じゃあ、いまのネットの業界は全然ダメだ、と。
堀江:やっと最近また活性化してきたのに、「LINEには敵わない」とか言っちゃったりするのがもうダメだよね。「なんだよ、LINEぐらい超えられるだろ!」っていうのが僕じゃないですか。だから今度、打倒LINEみたいなサービスも始めますよ。
──そうなんですか!
堀江:まだいまはあんまり言わないでいますけど、サイバーエージェントと合弁でトークライブアプリをつくったんですよ。トークを公開でやるのがポイントで。LINEって、そもそも多対多のトークの機能は弱いんですよ。基本的に1対1のトークアプリなので、ちょっとタイムラグがあったりするから、そこはこちらに競争力があると思って。
──てっきりITはもう興味ないかと思ってました。
堀江:宇宙ロケットだけやってても暇だと思って(笑い)。
※週刊ポスト2013年12月6日号