プロ野球選手の背番号は重い。ある番号を背負ったとたん、スランプや怪我に悩まされ、選手やファンに忌み嫌われる「呪いの背番号」も存在する。たとえば、広島の背番号「21」は、竜憲一、佐伯和司とエース級の主力投手が背負ってきた背番号。
特に佐伯は1975年、“赤ヘル旋風”で球団初優勝に貢献した選手だ。しかし1977年に日本ハムにトレードされると、地元広島出身のドラ1を放出するとは何事かとファンが激怒。以降、「佐伯の祟り」として、ファンが語り継ぐのが「21」を付けたドラ1投手の死屍累々の事例である。
1987年入団の川島堅は1勝、1993年入団の山根雅仁は未勝利のまま引退。1997年入団の遠藤竜志も2勝、そして2008年からは「赤いハンカチ王子」齊藤悠葵が付けたが、一軍と二軍を行き来する状態。それでも、懲りずに来季からは、2007年ドラ1の篠田純平が「21」を引き継ぐ。祟りを鎮めることはできるのだろうか。
※週刊ポスト2013年12月11日号