最近、掃除をする社長が増えているというが本当か? と思ったら、実際にいました。「餃子の王将」を運営する(株)王将フードサービス(京都市山科区)代表取締役社長・大東隆行さん(72)もその一人だ。
「よその店に行って『汚いなあ』といおうにも、まず自分とこがきれいやないといわれへんやん?」(大東さん)
まだ真っ暗な午前5時半ごろ、本社の玄関を開け、明かりをつけた白長靴姿の大東社長は周りの掃き掃除と水まきを始める。掃除するほど汚れてはいないと指摘すると、「これ、始める前はみんなタバコやら空き缶やら放りよったんやで。やるようになったら誰も捨てへん。お掃除はテレパシーや、伝わるねん」
13年前、社長就任と同時に始めた習慣。もっとも、その前の店長~本部長時代も店掃除は日課。それにしても朝が早いですが?
「誰よりも早く一番乗りが大切。仕事は朝が勝負ちゃうのん? 意欲と勢いと活気でやるもんや。9時にはもうエンジン全開ぐらいでええのちゃう? 昼からの仕事は惰性(笑い)、夜は明日のことを考える。それくらいやないと『仕事できる』とはお世辞にもいえへんのとちゃいますか」(同前)
撮影■渡辺利博
※週刊ポスト2013年12月13日号