今年の冬のボーナスはアベノミクスの恩恵が還元されたのか、バブル並みの伸び率で好調な企業が多い。
だが、同業種で軒並みアップと足並みを揃えたのは自動車くらいで、電機業界では、中国向けのエレベーター輸出などインフラ部門が好調な日立がかろうじて1万円アップにこぎつけた程度。
ソニーや三菱電機は7万円ダウンという厳冬を迎えることに。シャープ、パナソニックなど、この間、業績悪化が伝えられてきた企業も大幅なボーナス減となっている。とくに関西に本社を置く企業が厳しく、「東高西低」の傾向が強い。
0.16か月分増だったNECの50代生産畑の社員にしても、顔色は暗い。
「昨年までの減額分が、戻っただけというのが実態です。一番ショックなのは、毎年、会費を募って部内でやっていた忘年会が、若い連中から『お金がもったいない』との声が上がり中止になったこと。
俺が奢ってやるといっても、『お互いさまなので無理しないでください』とかえって気をつかわれて断わられるし」
原材料輸入価格の高騰が響く食品でも、江崎グリコの微増を例外に、キリンビールや日本水産が減額となっている。
ライバル企業同士でも明暗が分かれた。据え置きのANAに対し、コスト削減など業績回復著しいJALは5万円アップ。また、NTT東日本は据え置きに対し、NTT西日本は4000円ダウン。固定電話の収益が下がり、東西の顧客数の差が響いたという。
※週刊ポスト2013年12月13日号