中国が突然設定した「防空識別圏」をめぐり、不測の事態が生じるのではとの危惧が生じている。一方で、防空識別圏内での有事こそ、中国側が望んでいることだという分析もある。軍事ジャーナリストの井上和彦氏がいう。
「中国国内ではウイグル族による反政府デモなど、反政府運動も高まっています。人民の政府に対する不満が高まる中、こうした不満を外に向けるためにも防空識別圏の設定が利用されている可能性もあります。つまり危機を煽ることで国民の目を逸らそうというのです。
そこで怖いのが中国による自作自演。戦争さえ辞さない構えの中国軍が、自国の飛行機を防空識別圏の中で撃墜し、“それを日本軍のしわざ”にでっち上げ、緊張を一気に高めるというシナリオが懸念されます」
※週刊ポスト2013年12月20・27日号