ライフ

ビートたけし 「ネットで自己主張する奴が偉い」風潮に異議

 2013年は、ネット発の様々な事件が発生した。「バカッター」と称されるように、店の従業員がイタズラをTwitter上に公開し、炎上するケースが続出。店にクレームをつけた挙句従業員に土下座を強要し、その写真をネットに公開し、後に強要罪で逮捕された女性もいた。いま個人はインターネットとどう接していけばよいのか。新刊『ヒンシュクの達人』(小学館新書)を上梓したビートたけし氏は、こう分析している。

 * * *
 三鷹の女子高生刺殺事件はさすがに悲惨だった。加害者は元彼氏だったっていうんだけど、ネット上で恋人を作るっていうのは正直どうかしてると思う。静止画像やプロフィールなんかで、その男が信頼できるかどうかなんてわからない。いくらでもウソで取り繕えるもんな。

 実際に会ってみて、表情や仕草を見て、それではじめて「信頼できるか」って判断できるわけでね。写真じゃイケメンでニコニコしてても、実物を見りゃ目が泳いでいたり、神経質に貧乏揺すりしてなんだかおかしいぞってことがよくあるわけでさ。

 美人の女の子がネットに自分の顔を晒してたら、そりゃ悪い男が寄ってくるに決まってる。この世の中、ネットでうまく自己主張できるヤツが偉いみたいな風潮になってるけど、そんなもんウソだよ。一般人は、ネットに情報が漏れるのをいかに防ぐかを考えたほうがいい。

 もっと信じられないのが、店の従業員にクレームをつけて土下座で謝罪させて、それをネット上にアップするヤツだよ。最近、「自分が勝った」と思った瞬間に、相手をトコトン叩きのめしてやろうという感覚の人間が増えたような気がする。自分のほうが有利だとわかった瞬間に居丈高になるんだよな。

 スキャンダルを起こした有名人をネットで批判するヤツラもそうだ。絶対安全圏から、どん底に落とすまで叩きまくる。「もうサンザンな目に遭ってるんだから、この辺でいいじゃないか」とか、「もうこっちの勝ちは決まったから、それ以上ボコボコにする必要はない」なんて感覚はないんだよな。

 人間、自分が圧倒的に優位な立場にいるときに、相手にどう振る舞うかで品性みたいなものがわかる。「溺れた犬は叩け」じゃないけど、弱ってる相手、弱い立場の相手をかさにかかっていじめるのは、とにかく下品なんだよ。

※ビートたけし/著『ヒンシュクの達人』(小学館新書)より

関連記事

トピックス

水原一平の父が大谷への本音を告白した
《独占スクープ》水原一平被告の父が告白!“大谷翔平への本音”と“息子の素顔”「1人でなんかできるわけないじゃん」
NEWSポストセブン
「オウルxyz」の元代表・牧野正幸容疑者(43)。少女に対しわいせつ行為を繰り返していたという(知人提供)
《少女へのわいせつで逮捕》トー横キッズ支援の「オウルxyz」牧野正幸容疑者(43)が見せていた“女子高生配信者推し”の素顔
NEWSポストセブン
“原宿系デコラファッション”に身を包むのは小学6年生の“いちか”さん(12)
《ド派手ファッションで小学校に通う12歳女児》メッシュにネイルとピアスでメイク2時間「先生から呼び出し」に父親が直談判した理由、『家、ついて行ってイイですか?』出演で騒然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告と、事件があったホテルの202号室
「ひどいな…」田村瑠奈被告と被害者男性との“初夜”後、母・浩子被告が抱いた「複雑な心中」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
注目を集めている日曜劇場『御上先生』(TBS系)に主演する松坂桃李
視聴率好調の『御上先生』、ロケ地は「東大合格者数全国2位」の超進学校 松坂桃李はエキストラとして参加する生徒たちに勉強法や志望校について質問、役作りの参考に
女性セブン
ミス京大グランプリを獲得した一条美輝さん(Instagramより)
《“ミス京大”初開催で騒動》「(自作自演は)絶対にありません」初代グランプリを獲得した医学部医学科1年生の一条美輝さん(19)が語る“出場経緯”と京大の「公式回答」
NEWSポストセブン
コンビニを兼ねているアメリカのガソリンスタンド(「地獄海外難民」氏のXより)
《アメリカ移住のリアル》借金450万円でも家賃28万円の家から引っ越せない“世知辛い事情”隣町は安いが「車上荒らし、ドラッグ、強盗…」危険がいっぱい
NEWSポストセブン
『裸ダンボール企画』を敢行した韓国のインフルエンサーが問題に(YouTubeより)
《過激化する性コンテンツ》道ゆく人に「触って」と…“裸ダンボール”企画で韓国美女インフルエンサーに有罪判決「表面に出ていなくても妄想を膨らませる」
NEWSポストセブン
裁判が開かれた大阪地裁(時事通信フォト)
《大阪・女児10人性的暴行》玄関から押し入り「泣いたら殺す」柳本智也被告が抱えていた「ストレスと認知の歪み」 本人は「無期懲役すら軽いと思われて当然」と懺悔
NEWSポストセブン
悠仁さまご自身は、ひとり暮らしに前向きだという。(2024年9月、東京・千代田区、JMPA)
《悠仁さま、4月から筑波大学へ進学》“毎日の車通学はさすがに無理がある”前例なき警備への負担が問題視 完成間近の新学生寮で「六畳一間の共同生活」プランが浮上
女性セブン
浩子被告の主張は
《6分52秒の戦慄動画》「摘出した眼を手のひらに乗せたり、いじったり」田村瑠奈被告がスプーンで被害者男性の眼球を…明かされた損壊の詳細【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ビアンカ
《カニエ・ウェスト離婚報道》グラミー賞で超過激な“透けドレス”騒動から急展開「17歳年下妻は7億円受け取りに合意」
NEWSポストセブン