口コミグルメサイト・食べログでは、ユーザーが各飲食店を「料理・味、サービス、雰囲気、CP(コストパフォーマンス)、酒・ドリンク」の5つの基準で評価し、そのランキングが掲載されている。かつては、不当な評価をつけられ客足が遠のいたと主張する飲食店によって、訴訟騒動が引き起こされたこともあったが、その一方で、「食べログに掲載されて、高評価を受けたことで、客足が増加した」という飲食店店主もいる。都内のスイーツ店の店主が語る。
「店の前に行列ができることも増え、お昼ごろに売り切れてしまう時期もありました。食べログで話題になった後は、以前の2倍くらいのスピードでケーキが売り切れるようになりました。本当にありがたいことです。
食べログによって、店の情報が多くの方の目に入るようになったので、口コミはどうしても意識してしまいます。自分の店の商品は、いつも万全の体制で提供できるよう、気が引き締まる思いです」
最近では、食べログに限らず、ブログやツイッターなどにアップするために、店内で写真撮影する者も少なくない。店主に断りを入れず勝手にメニューの写真を撮影し、トラブルになるケースもあり、ネット時代の客のマナーも問題視されている。だが、前出・スイーツ店では、そうしたマナーの問題とは関係なく、店内の写真撮影を禁止するようになったという。なぜか。
「たしかにネットでの評価は重要だと思いますが、店側がそれを意識しすぎては本末転倒だと思い、うちの店では少し前から、写真撮影をお断りするようになりました。
常連客の方からは、『写真を撮りたかったので残念だ』という声も聞き、心苦しさもあります。ただ、私も食べログはプライベートでよく使っており、便利だと思っているので、その分ネットでの反応にも丁寧に対応していきたいという気持ちから、このような対応をさせていただきました」(同前)
食べログでの評価が、店側にも影響を与えているのは、間違いないようだ。