中国がじわりじわりと軍事的脅威を日本に突きつけ、韓国が歴史問題で世界に害毒をふりまく──2013年の日本外交は中韓の暴虐に翻弄された1年だった。2014年も、この危機は高まりこそすれ、去ることは考えにくい。ジャーナリストの櫻井よしこ氏が、この危機をどう乗り切るべきか提言する。
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2013年の終盤、第2期オバマ政権の外交上の失敗が積み重なり、米国は超大国の威信を急速に失墜させ、世界秩序の崩壊が始まったように見えます。2014年はこの流れがさらに加速する可能性が高いでしょう。しかし、この混乱は、日本が自立した国家として立ち上がり、世界に貢献する戦後最大のチャンスと言えます。
2013年12月12日、北朝鮮では事実上のナンバー2だった張成沢国防委員会・副委員長が失脚し、処刑されました。いくら権力を集中させても、恐怖政治と粛清による国家運営は決して安定しませんから、北朝鮮有事がさらに近づいたことは間違いありません。
この状況下においてさえ、オバマ大統領は北朝鮮にコミットする意思を示さず、核開発問題の解決を中国に委ねるつもりのようです。中国にとっても北朝鮮は扱いにくい相手ですが、米国が手をこまぬくことは、中国が朝鮮半島全体を影響下により強く引き込む絶好の機会です。
本来であれば米国と韓国、そして日本が一体となって北朝鮮や中国と対峙すべき時にもかかわらず、韓国の朴槿恵大統領が非理性的な日本批判をくり返しているのも、朝鮮半島、とりわけ韓国にとって懸念すべきことだと言えます。
現実に今の韓国に日本の歴史問題をあげつらう余裕はありません。『統一日報』論説顧問の洪ヒョン氏は、韓国国内では北朝鮮による韓国併合に向けた死に物狂いの闘いが繰り広げられていると強調します。
韓国の野党・民主党は元大統領である金大中、盧武鉉両氏の路線を受け継ぐ政党で、韓国の国会議員300人中127議席を占めています。驚くべきは、うち21人は反共法及び国家保安法違反で逮捕された前科を持つという点です。つまり彼らは北朝鮮による韓国併合を目指す勢力と事実上、同じだということです。