年末年始ともなれば、お酒との付き合いが多くなる機会が増える。そこで「酒飲みの科学」を紹介しよう。
慶應義塾大学看護医療学部の加藤眞三教授は血中アルコール濃度と脳の関係についてこう解説する。
「肝臓で分解しきれないアルコールが脳に達すると、脳の活動が低下していきます。脳の中のどの部位の活動が低下するかは血中アルコール濃度によって変わってきます。
血中アルコール濃度が0.05%以上0.1%未満(飲酒量ビール中瓶1~2本程度)の『ほろ酔い期』では理性を司る大脳新皮質の活動が低下し、本能や感情を司る大脳辺縁系の活動が活発になります。理性が利かなくなり、日頃溜め込んだ本音をさらけ出してしまいます。普段大人しい人が大声を出し始めたりするのです」
この「ほろ酔い期」では、その人の中にあるものの普段は出せない本性が出てくる。「キス魔」「笑い上戸」「脱衣癖」などもこれにあたる。
※SAPIO2104年1月号