中国が軍事的脅威を日本に突きつけ、韓国が歴史問題で世界に害毒をふりまいた2013年。2014年も、この危機は去ることはないだろう。ジャーナリストの櫻井よしこ氏は、この危機を乗り切るには日米同盟の深化が鍵になると説く。
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今、日米両国は同盟関係の中で、日本がより大きな役割を果たし、日米同盟をより深化させる段階を迎えています。それが明確に文書化されたのが、2013年10月の「2+2」(外務・防衛閣僚協議)でした。今回の「2+2」の最大の意義は日米防衛協力のための指針、ガイドラインを再改定するとしたことです。
1997年の前回の改定では日本の役割は一言でいえば後方支援でしたが、今回の改定では日本は中国の海洋進出の脅威に備えるためにも前線に立つことが求められています。
そのためにも米国側は、日本の集団的自衛権の行使、防衛予算の増額、防衛大綱の見直しなどを歓迎しました。日米同盟を機能させるために、国家安全保障会議の創設や国家安全保障戦略の策定も歓迎されました。米国を含む他国との協調がとりわけ大事になってくるなかで、互いに機密情報を守る必要性が高まります。その点で特定秘密保護法の制定は必要なのです。
この「2+2」では、中国を名指しして、中国の軍拡に懸念を表明し、透明性を高めるよう要請しています。このように日米が対中国で共同歩調を保つことが中国に対する最大の抑止力になります。
防衛大綱で南西諸島の防衛強化も打ち出し、自衛隊の各方面を統合運用する国家安全保障会議の中に現役の制服組を入れるなど、日本がこれまではやってこなかったけれど、国家として当然のことを、安倍政権は次々に実行に移しています。言葉だけでなく、行動や制度面でも日米同盟を担保しようとする姿勢を私は評価します。
安倍首相は「戦後レジームからの脱却」を訴え続けてきましたが、自民党が衆議院で圧倒的多数を取り、参議院でも同じ価値観を持つ他党の議員と合わせれば過半数を占める今こそ、それを実現する好機です。
日本には、世界の平和、安定のために貢献する資格と力があり、東南アジアをはじめ、世界の国々がそれを歓迎しています。中国・韓国の暴虐が招く2014年の日本の危機は、まさに最大の好機なのです。
※週刊ポスト2014年1月1・10日号