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鳥越俊太郎氏 右傾化懸念し都知事に首相と距離取る人物希望

 医療法人・徳洲会グループから5000万円の現金を受け取った問題で、猪瀬直樹氏が東京都知事を辞任。それを受けて今年2月には再び知事選挙が行われることになった。候補としてさまざまな名前が取り沙汰されているが、誰を選べばいいのか。ジャーナリストの鳥越俊太郎さんが語る。

 * * *
 東国原英夫さん(56才)、小池百合子さん(61才)、蓮舫さん(46才)、舛添要一さん(65才)、さらには北野武さん(66才)まで、実にいろいろな人の名前があがっています。だけど、正直、「この人がいい」と言えるような人はいませんね。

 過去の都知事選を見ると、いくら実績のある人でも知名度がないと勝てません。だから有名人を立てようという動きになっているわけですが、やっぱり知名度だけでなく、実力もないと困ります。

 猪瀬さんの場合も、石原慎太郎さん(81才)の後継ということで、都民は430万票という過去最大の得票を与えてしまいました。確かに東京五輪招致では成果を残しましたが、それ以外は、たった1年ですから仕事らしい仕事もしていない。

 ぼくもまさか猪瀬さんがこういう形で辞めることになるとは思っていませんでしたが、彼を選んだ責任は間違いなく都民、有権者にあるんです。

 安倍政権についてもそう思いますね。メディアも含めて、国民は民主党政権を「決められない政治」と言って批判しましたが、衆議院でも参議院でも安倍政権に多数を与えてしまった結果、今度は考える暇もなくどんどん法案が通ってしまう。特定秘密保護法案の強行採決を見た時は、多くの国民が後悔したのでは。

 だからぼくとしては、東京都知事には安倍政権と一定の距離を取る人になってほしい。もちろん国政とは違いますが、都政が中央政府と歩調を合わせるようになってしまったら、それこそ、日本は際限なく右傾化していきます。

 小泉純一郎さん(71才)? あれぐらい政治的なパワーを持った人がいいですが、原発即時ストップ以外は、ほとんど安倍政権と一緒です。

 東京五輪開催が決まって、東京都知事には世界から注目が集まっています。有権者は、安倍政権への賛否を含めた、日本全体のことを考えて、責任を持って選ぶべきです。

※女性セブン2014年1月23日号

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