米国は世界で一番名字の種類が多い国だといわれている。姓氏研究家の森岡浩氏によると、1964年の調査結果では、先頭6文字までが違う名字だけでも、110万種類もあった。
「米国には日本の2倍以上の人口がある上に、世界各地から人が集まっている。そのため、中南米やロシア、アジアなど英語圏以外の世界中の名字が存在しています」(森岡氏。以下「」内同)
その米国で一番多い名字は「スミス」。
「数にして280万人もいます。以下、ジョンソン、ウイリアムズ、ジョーンズ、ブラウンと続く。移民で成り立っている米国では、日本と違ってランキングの変動が激しく、最近はスペイン系の名字が急増しています」
ちなみに日系米国人で一番多い「名字」の第1位は「タナカ」。以下、「ヤマモト」「ナカムラ」「ワタナベ」「サトウ」と続いている。日本では1位の「佐藤」は5位に沈んだ。
「田中、山本、中村は西日本を代表する名字。米国へ移民した日本人は、西日本出身者が多いと考えられますね」
一方で、名字の種類が少ないのは韓国。約300種類しかなく、「金」「李」「朴」「崔」「鄭」を五大姓といい、人口の5割以上を占めている。中国も少ない。人口が10億人を超えるが、「名字」は3500種類しかないといわれている。
「一番多いのは『李』で全体の8%を占めており、人口では8000万人もいることになる。韓国で2位の『李』も合わせれば、1億人を超えます」
※週刊ポスト2014年1月17 日号