ビジネス

【ドル円週間見通し】Wトップ達成で調整局面入りの可能性も

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、1月20日~1月24日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は、中国の景況感と日本銀行金融政策決定会合での金融政策を見極める展開が予想される。
 
【中国の10-12月期の国内総生産(GDP)】(20日)
 中国の10-12月期の国内総生産(GDP)は、前期比+2.0%、前年比+7.6%と予想されており、7-9月期の前期比+2.2%、前年比+7.8%からの減速が見込まれている。中国の景気低迷は、リスク回避の円買い材料となる。中国の地方政府がシャドーバンキング(影の銀行)に依存していることでデフォルト(債務不履行)懸念が高まっており、不動産バブルが崩壊する懸念が高まっていることも懸念材料となる。
 
【日本銀行金融政策決定会合】(21-22日)
 日本銀行金融政策決定会合では4月からの消費増税(5.0%→8.0%)に向けて、異次元の量的・質的金融緩和第2弾の検討が期待されている。黒田東彦日銀総裁の会見では、異次元の量的・質的金融緩和第2弾のロードマップを見極めることになる。

【ダボス会議】(22-25日)
 ルー米財務長官は、「日本の長期成長、有利な為替相場への過剰な依存によっては可能でない」「日本が国内の目的達成のため政策を実行しているかを注視 」「日本の経済成長は各国にも利益」と円安を牽制する発言をした。22日から開かれる世界経済フォーラム(ダボス会議)では、日本の金融緩和政策を受けた円安に対する言及に警戒することになる。

【テクニカル分析】
 ドル・円は、103円74銭と93円75銭を底辺(9.99円)とする「三角保ち合い」を上放れていることで、目標値108円84銭処が点灯している。しかしながら、ダブルトップ(105円45銭・105円42銭)、124円14銭から75円32銭までの下落幅のフィボナッチ・リトレースメント61.8%戻し(105円49銭)達成を受けて、調整局面入りの可能性に要警戒か。

 1月20日-24日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

○(中国)10-12月期国内総生産- 20日(月)午前11時発表
・予想は、前年比+7.6%
 参考となる7-9月期の実績は前年同期比+7.8%だった。鉄道投資や減税などの景気支援策が反映される結果となった。10-12月期の経済成長率は7-9月期との比較で多少鈍化する見込み。ただし、中国経済の絶対規模は順調に拡大しており、2014年も7%台の経済成長率を維持できれば、人民元相場の先高観を後退させる要因にはならないとみられる。

○(米)前週分MBA住宅ローン申請指数- 22日(水)午後9時発表
・前回の指数は+11.9%
 参考となる前回の数字は+11.9%で昨年3月1日の14.8%以降では最大の上昇となった。借り換え指数と購入指数が大幅に上昇していた。住宅市況はまずまず順調だが、次回については前回の反動で減少する可能性がある。

○(米)12月中古住宅販売件数- 23日(木)日本時間24日午前0時発表
・予想は、493万戸
 参考となる11月実績は前月比-4.3%、年率換算で490万戸だった。前年12月以来の低水準。金利上昇の影響は続いており、住宅価格はやや上昇している。12月については、販売戸数の大幅な落ち込みはないとみられているが、購買意欲は高まっていないもよう。コンセンサスは妥当か。

○(米)12月景気先行指数- 23日(木)日本時間24日午前0時発表
・予想は、+0.1%
 参考となる11月実績は+0.8%だった。11月時点では景気回復の勢いが維持していることを示唆する結果となった。12月については、全般的に上向きのトレンドが継続していることから、マイナスに転じる可能性は低いとみられる、ただし、11月の伸びが大きかったことから前月比で横ばいとなる可能性があり、市場予想は妥当な水準か。

 主な発表予定は、20日(月):(中)12月鉱工業生産、(中)12月小売売上高、22日(水):(日)日銀金融政策発表、23日(木):(米)12月シカゴ連銀全米活動指数、(米)11月住宅価格指数

【予想レンジ】
・ドル・円101円00銭-106円00銭

関連キーワード

関連記事

トピックス

長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
3月末でNHKを退社し、フリーとなった中川安奈アナ(インスタグラムより)
《“元カレ写真並べる”が注目》元NHK中川安奈アナ、“送別会なし”に「NHK冷たい」の声も それでもNHKの判断が「賢明」と言えるテレビ業界のリスク事情
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
第一子誕生の大谷翔平、広告出演オファー殺到でスポンサー収入200億円突破も ベビー関連・ファミリー関連企業から熱視線、争奪戦早くも開始か 
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
金メダル級の演技(C)NHK連続テレビ小説「あんぱん」NHK総合 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
朝ドラ『あんぱん』で“韋駄天おのぶ”を演じる今田美桜の俊足秘話 「元陸上部で中学校の運動会ではリレーの選手に」、ヒロイン選考オーディションでは「走りのテスト」も
週刊ポスト
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
(撮影/田中麻以)
【高市早苗氏独占インタビュー】今だから明かせる自民党総裁選挙の裏側「ある派閥では決選投票で『男に入れろ』という指令が出ていたと聞いた」
週刊ポスト
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《ベイビーが誕生した大谷翔平・真美子さんの“癒しの場所”が…》ハワイの25億円リゾート別荘が早くも“観光地化”する危機
NEWSポストセブン
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン