1月から4月1日までに生まれた、いわゆる「早生まれ」の子供たちは、学校などでともに過ごす同学年の他の子供たちよりも発育が遅れるため、特に運動面で不利だといわれてきた。
日本サッカー協会が5年間、Jリーグ各クラブのジュニアユース(中学生)の体格を調べたところ、中学1年生の平均身長は、4~6月生まれの161.0cmに比べ、早生まれは154.4cmだった。運動能力でも、30mダッシュのタイムでは、4~6月は4.75秒、早生まれは4.88秒と、早生まれの子供のほうが下回る結果が出たという。
そうなると、こんな現象が起きる。全国で、小中学生のためのサッカー教室を行なっている元日本サッカー協会副会長・釜本邦茂氏はこう指摘する。
「運動量が激しく、体格差が出やすいサッカーのようなスポーツでは、誕生日次第でフィジカルの差が大きく出てしまう。特に小中学生の場合、指導者が目先の勝利を求めると、どうしても体が大きい子供を優先してしまい、発育の遅い早生まれの子供に出場機会が与えられない場合が多い。
すると、どんなにいいものや可能性を持っている子でも、“早生まれ”によるビハインドがあることが原因で、試合に出してもらえないということが往々にして出てくる。結果、競技がつまらなくなって、徐々に離れてしまう」
J1の18クラブのうち、外国人枠選手を除いた選手の誕生月を集計してみたところ、釜本氏の言葉を裏付けるような結果が出た(資料=『週刊サッカーダイジェスト選手名鑑』日本スポーツ企画出版社刊)。
●4~6月(161人)
●7~9月(130人)
●10~12月(103人)
●1~3月(61人)
1~3月生まれの選手は、4~6月の半数以下しかいない。月別では2月生まれの選手が最も少なく、次点は3月生まれだった。