「観光客にもプレゼントを用意する」──その一言で五輪開催の熱狂に冷水が浴びせられた。昨年末、ロシア南部で起きた連続爆破テロについて、イスラム武装組織が犯行声明を発表。このままソチ五輪を開催するならこのような(テロの)プレゼントを贈る、と予告したのである。
「決死の五輪ロケになりそうです。ホント身を削る思いです……」と声を落とすのは、ある民放テレビ局員だ。単に、ソチが危険だ、ということだけではない。
「厳戒態勢下のソチでは、報道陣用の宿泊先ホテルが指定されているんですが、その宿泊費が高すぎる!」
その額、なんと10日で一人100万円。ある民放局では「全員分のホテル代は出せないから、一部の撮影クルーは危険を覚悟で安ホテルに泊まることになるかも」という。ただし、“軍資金(といっても受信料だけど)”が潤沢なNHKだけは余裕綽々(しゃくしゃく)。NHK職員は語る。
「うちは職員の安全第一。これ以上テロの危険度が高まるようならいっそ宿泊用の船を一隻借り切ろう、なんて話もあるぐらいです」
メディアの懐事情にも格差があるようで──。
※週刊ポスト2014年2月7日号