AV男優の団体が旗揚げされる──そんな情報が編集部に飛び込んできた。
男優といえば、制作スタッフからの電話1本で出演依頼を受け、現金でギャラを受け取り、撮影現場を飛び回る一匹狼の職業である。そんな彼らがなぜ業界組織を立ち上げるのか。発起人の男優歴14年、森林原人氏が話す。
「4月1日に日本AV男優協会を設立します。英語名はJPAA(ジャパン・ポルノ・アクターズ・アソシエーション)です。昨年末にアメリカのポルノ業界で性病が蔓延し撮影が止まっていると聞いて、これは対岸の火事ではないと思いました。男優が団結して月に一度の性病検査を自らに課し、女優も安心して仕事ができる環境を作り、業界の発展に貢献したいというのが設立の目的です」
森林氏らベテラン男優が中心となって仲間に呼びかけたところ、「印紙男優」(領収書に印紙が必要となるギャラ3万円以上の男優を指す)のほぼ全員である約50人が賛同したという。
性病検査の徹底以外に、男優志望者やファンからの問い合わせ窓口にもなるというが、JPAAにはもう一つの狙いがある。それには、本誌が毎号のように企画しているシニア向けセックス特集が関係しているという。
「週刊誌のセックス特集では、よく女医さんが医学的な見地から発言していますよね。彼女たちのコメントを読みながら、いつも悔しくて悔しくて……。僕らだって、数千人の女性とセックスして、一般の人には真似できない経験値を持っているんです。
セックスのことはセックスのプロに聞いてほしい。人類史を見ても、セックスだけを数十年にわたって生業にした男性はいないのではないでしょうか。僕らが培った経験を社会に還元するために、情報発信をしていくこともJPAA設立の狙いです」(同前)
今後は、コンドームの新商品モニターや、ラブグッズや栄養ドリンクの開発などに協力し、「JPAA推薦」というお墨付きを与える事業も視野に入れているという。
※週刊ポスト2014年2月7日号