米国の航空専門誌「アビエーション・ウィーク」によると、中国の空軍力がロシアを抜いて、世界第2位に躍り出たことが分かった。中国空軍の作戦機数は1453機で、ロシアの1438機を上回った。米軍の専門家は「中国空軍は安定した成長を遂げ、大きな力を備えている」と指摘しているほか、海軍も潜水艦を中心に欧米先進国並みの水準に達していると評価する。
世界最大の空軍力を有するのは米国で、戦闘機や攻撃機、爆撃機などを合わせると計2740機と中国よりも約1300機多く、世界中の作戦機数全体の19%を占めておりダントツでトップ。
4位以下はインド、北朝鮮、エジプト、韓国、パキスタンで、日本は9位。台湾が10位と続く。10か国中、7か国がアジア諸国で占められており、潜在的な紛争の可能性が大きい地域といえよう。
気になるのは沖縄県尖閣諸島をめぐって対立している日中の軍事力比較だ。中国の国際専門紙「環球時報」は1月17日、「中国側の見方──中国の海軍、空軍ともに日本より強い!」と題した記事を掲載。そのなかで、空軍力について、中国の戦闘機の数は世界第2位で、日本のF-15に相当する第3世代機も500機ほど保有しているとして、日本の260機を大きく上回ると分析している。
海軍力については、香港の週刊誌「アジアウィーク」は日本の専門家の話として「中国の海軍力は日本より10年は遅れている」と報じている。それによると、中国海軍は海上自衛隊の5倍の兵力を持ち、1000隻以上の艦艇を保有するが、その多くは沿海警備用の小型艦艇であり、遠洋作戦が可能な駆逐艦や護衛艦は200隻ほどしかない。これは日本の1.5倍にあたるが、これらのほとんどは旧式で、現段階での海洋戦闘力は海上自衛隊に遠く及ばないという。
米議会の諮問機関である米中経済・安全保障調査委員会は「中国軍が最近10数年間の軍事力強化を経て、米国にとっても脅威となるほどの現代化を遂げている」との報告書をまとめている。
それによると、中国は10年前、対艦巡航ミサイルを搭載した潜水艦を数隻しか保有していなかったが、2015年には7割の潜水艦にそれが装備され、2020年には通常動力型潜水艦の75%とすべての原子力潜水艦に対艦ミサイルが装備されることになる。
ある専門家は「中国の潜水艦部隊は近い将来、長距離巡航ミサイルを備え、米軍の軍艦を攻撃できるようになろう。どういう評価基準を用いても、中国の現代化潜水艦と武器システムはすでに、先進国の海軍に匹敵する」と指摘している。