【書籍紹介】『植村直己・夢の軌跡』湯川豊/文藝春秋/1575円
エベレスト登頂をはじめ、数々の偉業をなしとげた冒険家がアラスカの雪山に消えて30年。互いに20代の頃、雑誌の編集者として植村と出会った著者が、ひとりの人間としての植村直己を振り返り記す。
植村は度々「夢」という言葉を使っていたが、〈それは実現の可能性が小さいから夢という言葉にするのではなく、前方にある輝かしい目標という意味で夢という言葉が使われていた〉という。稀代の冒険家の知られざる姿が浮かび上がる。
※週刊ポスト2014年2月21日号